2007年07月17日
はじめての教育効果測定
[書籍 ]
企業の人材育成担当者の方々とお会いすると、話題に上るのは教育効果測定、つまり評価のことになる。
これは至極当然のことで、ある教育だったり研修がよかったのか悪かったのか判断するには評価をしてみるしかないということになるからだ。
一方、この話題に対しては「痛し痒し」的な返答にならざる得なかった。それは、評価を語ろうとすると、「評価手法」の話になるか、「評価のための設計」の話をすることになってしまうからだ。
「評価手法」の話は、うさんくさい評論家的であったり、あからさまに学校卒業してきたばかりの若造が「理論という能書きを垂れる」的な話になってしまう。一方、評価のための設計の話とは、そもそもどういうために評価をしたいのか? とか、評価をするために研修をどのように設計しましたか? という話になり、結局は「データも何も取っていないのに評価をするのは無理ですよ」という話になり、話し相手からはどうも腑に落ちないような顔をされる。さらに突っ込んで話をしてみると、どうがんばっても特に影響なかったとしかいえないところで、無理くり「研修は成功でした」と言うにはどうすればよいのかという話になってしまう。
結局は、効果測定を語ろうとすると、教育とは? 研修とは? という話をせざるを得なくなってしまうのだ。
そういった中で、本書「はじめての教育効果測定」は懇切丁寧に解説されている。こういった分野にいる方であれば、間違いなく必読の書だと感じる。さらに、本書が後1年半早く発売されていたならば、間違いなく「企業内人材育成入門」の評価の章で引用した。
本書が特に有用な点は、企業内人材育成の評価の書であるという点だ。上記「企業内人材育成入門」執筆時に悩んだことは、この評価の分野は「子供の教育」書は多数出版されているが、「大人の教育」や「企業での教育」となると極端に選択肢が狭まり、参考に出来るものが少ないことだ(私の無知が多分にありますので、良書があれば紹介ください)。さらに、海外の書籍も企業教育自身が個別具体的な例が多いため、つまり文脈依存した変数が多いため、海外の事例を読んでも「スッと」入ってこないことが多い。そうした中で、本書の立ち位置はとても明確だ。
企業にて評価に悩んでいる方は、是非一読願いたい。
この書籍カテゴリの関連記事
« 博士離れは、金で解決すればいい | メイン | ネット授業参加 »
おすすめ情報
eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン 紹介ページ
![]() | eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン 玉木 欽也(監修) 齋藤 裕 松田 岳士 橋本 諭 権藤 俊彦 堀内 淑子 高橋 徹 東京電機大学出版局 2006-05 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
コメント
コメントしてください
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:




RSS