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人材育成を研究している橋本諭のブログです。eラーニング(e-Learning)や人材育成、インストラクショナルデザインを専門としており、教育工学、学習科学、OJT、ワークプレイスラーニングの研究しています。eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン、企業内人材育成入門を上梓。

2006年11月15日

ブレンディッドラーニングを疑えるか?

[eラーニング ]

シリアスゲームを研究されている藤本さんのブログに面白い記述があった。

Another Way: ブレンデッドラーニングと聞いたら逃げろ

シャンクの考えを要約すると次のようになる。 「ブレンデッドラーニングという時、教室での対面教育は対人的なインタラクションが必要な教育を行ない、eラーニングは人を介する必要がない部分に利用される。人を介する必要がない学習とは、個人でできるスキル練習のような学習になるが、スキル練習にはシミュレーションのような手間とコストを掛けた教材が必要である。もしそういう教材をきちんと作れば、教室での教育は不要になるのでブレンデッドである必要はなくなる。そのため、わざわざブレンデッドと称している講座のeラーニング部分は、コストをかけずに作った退屈な暗記クイズの類が提供されている場合が多い。だから、ブレンデッドという言葉を聞いたら、逃げるに限る。」

猫も杓子もブレンディングといわれている風潮を批判している、ロジャーシャンクの著作を引用している。

ブレンディングとは、通常の対面講義形式とeラーニングを混ぜた(ブレンド)したものだ。私が、インストラクショナルデザイナとしてみると、柔軟な設計が出来ることがこの手法の優れたところだと思う。eラーニングは、開発するのに時間もコストもかかる。そのため、突貫工事で行うことは難しさが伴うと思う。その点、ある程度の余裕を持ってブレンディングにしておけば、突貫工事をした際の不具合を対面講義で補完できる。この柔軟さが鍵だと思う。

一方で、現在のブレンディングの使われ方は、eラーニングというよりもむしろICTに嫌悪感を示す人たちにもeラーニングを使ってもらうための材料になっている面を感じる。

「やはり、教育というものは人と人とのコミュニケーションであって、コンピュータを使うのはいかがなものかと思っていたのだ」

というような、素朴な意見に対してはブレンディングは有効な仕組みである。しかしながら、それが本当に意味のある使い方かどうかは検討の余地があるだろう。何らかの手法を選ぶ際には、それを選択する理由が必要だ。上記のロジャーシャンク批判くらいでぐらつくようだったら、デザイナとして失格だろう。

こうしたときに有効なのは、次の質問だ。他人にすることもあるだろうが、自分に対して向けてみるのも有効だ。

「あなたは、なぜブレンディングを選ぶのですか?」

投稿者 橋本 諭 : 2006年11月15日 07:47 このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマークへ追加

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