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人材育成を研究している橋本諭のブログです。eラーニング(e-Learning)や人材育成、インストラクショナルデザインを専門としており、教育工学、学習科学、OJT、ワークプレイスラーニングの研究しています。eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン、企業内人材育成入門を上梓。

2006年07月05日

無料の研修など存在しない

[eラーニング , 教育全般 , 人材育成 ]

「研修や講演会に行きたいけど、参加費が高いんだよね」

こんな声を聞いたり、思ったりしたことはないでしょうか。同じ研修であれば、出来るだけ安いほうがいいと思いますし、無料であればこれに越したことはありません。また、参加費が無料の研修には参加するけれど、有料の研修には参加したくない(させたくない)ということもあると思います。特に、個人的に参加する場合であれば、自腹ということになるので、余計な出費は避けたいと思うのが本音なのでしょう。

しかし、厳密な意味での無料の研修など存在しません。

それは、お金を払わない研修など、研修に値しないという意味ではありません。何らかの活動をすれば、コストが発生するという意味です。

給料をもらっているのであれば、1時間には1時間分の給料が支払われることになります。

仮に、自営業だとして、自分が働いた分しか給料がもらえないとしましょう。その場合、2時間の研修に参加するときに支払うコストは、2時間働いた分の給料になります。つまり、2時間研修に行く代わりに働いていたとすると、2時間分の給料を得られたはずである、という考え方です。経営学では、機会損失といいます。例えば、月に300,000万円もらっている人の時給は、1日7時間、1週5日、1ヶ月4週間として2,143円です。2時間では4,286円になります。

もし、無料の2時間の研修に行ったとしたら、実際には4,286円のコストがかかっていると言うことになります。

では、なぜこのような考え方をするべきなのでしょうか。それは、自分がコストを負担していないという意識の時には、結果に対して甘くなる傾向があるからです。

「あまり、面白くなかったけど、無料だから仕方ないね」「まあ、研修だから適当にしていればいいや」という意識になりがちです。また、講師側にも無料でやってやっているんだという(最も持ってはいけない)意識が出てきてしまう可能性があります。

自分はコストを払って参加しているのだという意識、また、コストを払って参加してもらっているという意識が、より良い研修を作るためには必要になるはずです。

下記に、自分の時給を調べる簡単なエクセルファイルをアップしてありますので、ご興味のある方は参考に使ってみてください。ファイルをダウンロード
なお、本エントリーの内容は、「学習者コスト」として、拙著「eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン」にて記述しております。

投稿者 橋本 諭 : 2006年07月05日 00:43 このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマークへ追加

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