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人材育成を研究している橋本諭のブログです。eラーニング(e-Learning)や人材育成、インストラクショナルデザインを専門としており、教育工学、学習科学、OJT、ワークプレイスラーニングの研究しています。eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン、企業内人材育成入門を上梓。

2005年11月05日

私がeラーニングをデザインする上で考えていることは、学習者コストを下げることだ。

同じ事を学んでもらうのであれば、より簡単に、より自然に学んでもらったほうがいい。特に、忙しい社会人が多い場合には、より強調して考えている。ひとつの学習にかかる時間や労力を学習者コストと呼んでいるが、このコストを下げていくことがドロップアウト率などの削減にもつながるのではないだろうか。

eラーニングやIDのメリットは? という質問に、コストを下げることだという回答がある。確かに、開発費などのコストを下げる効果はあるだろう。しかし、それだけでいいのだろうか? というのが問題意識の発端である。

より良いものを目指していくことこそが、インストラクショナルデザイナーとして目指していく道だと思うし、その活動が認められる日が来なければ、日本にインストラクショナルデザイナーが根付く日は来ないのではないかと思う。

様々なカラーをもったインストラクショナルデザイナーが出てきて、学習者に目を向けた活動を競ってくれることを祈っている。

投稿者 橋本 諭 : 2005年11月05日 12:56 このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマークへ追加

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コメント

1. 投稿者 小笠原 : 2005年11月09日 16:16[RES]

最近、インストラクショナルデザインが注目を浴びてますが、「研修設計の工程管理のことでしょ?」と言う方も増えてきたように思います。
ADDIEモデルがIDの代表のように紹介されているためでしょう。
11/5の「企業と人材」で「人材開発基礎用語50」という特集がされていて、IDも紹介されていましたが、ご多分に漏れずADDIEモデルを紹介していました。
私は、IDの本質は「教育の魅力を高めること」にあると思っています。
ARCSやガニェの9教授事象、メリルの5つ星などをもっと紹介してもらいたいと願っています。
IT系プロジェクトでは、「アジャイル」という考え方が注目を浴びているようですが、私は「アジャイルなID」を目指していきたいと考えています。

2. 投稿者 hashimoto@トロッコ蜜柑 [TypeKey Profile Page] : 2005年11月10日 14:11[RES]

>>1 小笠原さん

橋本です。
ID=ADDIEか?ということについては、最近はいろいろといわれているようです。もし、ADDIEが工程管理というものであるならば、IDの方が大きな概念だと考えられます。しかし、ADDIEがトヨタなどの日本の製造業が世界に向けて発信しているPDSの考え方であれば、IDの方がまだまだ小さいと思います。つまり、経営にインパクトを与えるようなモデルかどうかという点について考えてみると、いいのではないでしょうか。

たとえば、ある企業はIDのレベルが高いから株価が上がるということであれば、理想的です。逆に言えば、ADDIEの考え方がPDSであるならば、IDがPDS以上のものだというのには、最低でもIDによって企業の価値が向上するぐらいの効果を期待したいです。教育を低く見すぎるのもよくないとおもいますが、教育やIDを高く評価することも、なんだかな??と思っています。

また、僕も「教育の魅力を高めること」には賛成です。そして、そのためにはPDS、つまり教育を強烈に反省するということが必要なのではないかと思っています。強烈に反省するための文脈がIDではないかなと思っています。

アジャイルについては、Web2.0という最近の流行で書いていきますので、そちらを参照ください。

3. 投稿者 小笠原 : 2005年11月11日 18:14[RES]

>>2 hashimoto@トロッコ蜜柑さん
ADDIEがダメ、とは考えていませんが、ADDIEはIDの最低ラインじゃないかと考えています。
アメリカのマネジメントサイクルは、「PDSA」サイクルだそうですが、「PLAN-DO-STUDY-ACTION」なんだそうです。
教育の場合、この考え方はピッタリですね。
インストラクターも学習参加者と共に学んでいます。
もっと良い学びにするためには、どんな工夫があるか、学習参加者と共に考えていく事で教育も良くなっていくのだと思います。
先日、インストラクションをしたのですが、学習参加者の方から改善意見を頂きました。
本当にありがたいです。
こうやって、学習参加者と一緒に教育を良くしていくことがIDの理念だと思います。
学習者と密着し、擦り合わせながら学びを作り上げていければ最高ですね。

「教育」と経営のインパクトも、いろいろなところで叫ばれていますが、人材育成の投資が増加傾向にあるという話はあまり聞きません。
これは、IDが浸透していないことも原因の一つだと思います。
企業内教育のスタッフが、単なるコーディネーターからID者に発展したとき、真の人材育成の効果が見えてくるのかもしれません。
よくクレームで「お前のところの会社は、どういう教育をしているんだ!!」という決り文句があります。
それだけ、クライアントは企業の教育に注目しているのだとも考えられます。
そういう意味でも、品質の高い、魅力的な教育を作り上げていくことが経営品質の向上につながっていくのだと思います。

4. 投稿者 hashimoto@トロッコ蜜柑 [TypeKey Profile Page] : 2005年11月12日 01:09[RES]

>>3 小笠原さん

まったくおっしゃるとおりだと思います。PDSという考え方を示したのは、GEのシックスシグマやトヨタのカイゼンなどのPDSからの派生した枠組みのように、IDも同じようなステップを歩んでほしいなと思っているからです。IDは、既存の理論を使うことはもとより、自社の強みとなるような独自の活動になって行くべきだと思いますし、そうなっていくと思っています。

また、これらの活動は、GEやトヨタがそうであるように、やればやるほどノウハウがたまり、それが後に経営にインパクトを与えるところまで進化していくのではないかと期待しています。

その意味で、学習理論や心理学がどうこうというよりは、組織的な取り組みとして進化してほしいと思っています。ですから、僕はADDIE(PDS)大賛成です。もちろん、小笠原さんの指摘どうり、基礎だとは思いますが…

なお、企業内教育という枠組みで考えれば、企業の文化や風土を作るのも教育だし、競争優位を作るのも教育だといえます。何もできないようで、何でもできてしまうのが教育の誤解される点であり、強力な点だと思います。

また、IDは、教育を提供する側にとっても有益ですが、教育を受ける側にとっても有益です。ご指摘のとおり、受講者からのフィードバックを通じて、その会社の教育がどんどんと良いものになる。そんなプロセスが始まったとしたら、どれだけいい会社なのでしょうか。なんだか夢が膨らみます。僕はそんな会社を増やしていくことが目標です。

5. 投稿者 小笠原 : 2005年11月12日 23:53[RES]

>>4 hashimoto@トロッコ蜜柑さん
激しく同意です。
橋本さんとは、以前から意見が合いますね(笑

企業内教育のスタッフが、単なる研修コーディネーターからID者に変貌したとき、企業内教育は変わると思います。
インストラクターではなく、ID者です。
自分たちで、自分たちが学習するカリキュラムを設計できるようになってほしいのです。
研修団体の言いなりでは情けなさすぎます!
モノ言えるID者が必要なのです。
橋本さんが、そういう活動をしていくのだと思いますが、私も及ばずながら頑張っていきたいと思います。
「明るく、楽しく、学ぶ」魅力的な学習環境を創っていきましょう!!

6. 投稿者 hashimoto@トロッコ蜜柑 [TypeKey Profile Page] : 2005年11月14日 21:50[RES]

>>5 小笠原さん

意見があうのは、元をたどると師匠が同じだからではないでしょうか。

勉強すればするほど、実践すればするほど、かのヒゲの先生のすごさが身にしみてきます。

最近、いろいろな文章を書く機会が多いのですが、ちらちらと酔ったヒゲの先生の笑顔が見えてくるから恐ろしいです(笑)

もちろん、いつかギャフンと言わせてやると虎視眈々と狙う姿勢は忘れずにいるつもりですけど……

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