2005年06月05日
教育でraw intelligenceを身につけさせることはできるか?
[教育全般 ]
Life is beautiful: ビル・ゲイツの面接試験??私の場合というエントリーがある。マイクロソフトの面接は、難しい(単純ではない)ということで有名だ。Googleも同様に難しいということで有名なので、やはりIT系のトップ企業になるには、それ相応の能力が必要なのだろう。
さて、そのエントリーの中に、興味深い記述がある。
マイクロソフトにおける採用面接、特に大学を卒業したての新人の採用面接で一番重視しているのは、「raw intelligence」である。直訳すれば、「生(なま)の知性」である。そこには、「知識は必要に応じて付ければ良い。一番大切なのは、新しい知識をすばやく見に付け、それを応用して難しい問題を解決する知性だ」という会社としての確固たる信念がある。
この「raw intelligence」を教育関係者はどう考えるべきだろうか。完全に知識によって富が捻出される時代になった今、この能力の養成は急務だろう。
また、この面接時でのやりとりには教育的な知見が多く含まれているように感じた。
多くの学生はこの時点(ベターな回答を導き出した時点。筆者追記)で満足してしまうので、「良く出来たね。でも、もっとエレガントな方法があるんだけど気が付かない?」と催促してあげる必要がある。ここで、相手の目がチャレンジ精神に燃えてキラキラ輝き始めたらとても良いサインだ。
面接という緊張した環境において、面接官からのコメントがscaffolding(足場かけ)になるのか、駄目だしと取らえるかというのは、学びへの態度を見ることができるだろう。そういったときに、ストレスになるか、興味をそそられるかというのは、興味深い視点だ。
この次のハードルは、就職がかかった面接というプレッシャーのかかった場で越すのは学生には少し難しいので、「確かに交わり方は4通りだけど、もう少し簡単に交わっているかどうかをテストする方法があるんだよ」などのヒントを出してあげる必要がある。
これなど、まさにscaffoldingだ。
ちなみに、この手の問題を使って面接する場合には、学生を適当に励ましながら、正しい方向に導いてあげることが必要だ。そのプロセスの中で、こちらのガイドラインやヒントにどのくらい敏感に反応してくるか、エレガントな解答にどのくらいこだわっているか、などかが分かってくるのだ。
大切なことは、上で述べたような、よりシンプルでエレガントな解決法を常に探す気持ちを大切にして、自分自身を鍛えて行くことだ。一つの答えが出たところで満足せずに、「もっとエレガントな手法はないか、もっとシンプルな答えはないか」と考える姿勢を養うことが大切だ。学校の試験であれば、答えを提出してしまえば終わりだが、仕事でろくでもないプログラムを書いてしまうと、後々までタタられるのだから。
このエントリーを読んでいて思ったことは、この面接自体が「raw intelligence」をテストしつつ、「raw intelligence」を養成するための方法論に満ちているように感じた。
つまり、「raw intelligence」を獲得しているのかを測定するためには、「raw intelligence」を獲得するプロセスに乗せてみて、そのプロセスにフィットするのかということを見るということのように感じた。これは、教育的に考えれば、「raw intelligence」を学ぶための方法論が一例として示されているようなものではないだろうか。
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コメント
1. 投稿者 Satoshi : 2005年06月05日 08:32[RES]
私のうんちくに関して、丁寧な解説を付けていただき、ありがとうございます。確かに仰るとおり、私の面接の方法は、模擬的な新人教育をしてみて、それにちゃんとついてこれる人かどうかをテストしているような面がありますね。会社に入って来る新人が経験不足なのは当然なので、入社してから教育してあげるのは当然なのですが、それにちゃんとついて来れる人を採用しないと苦労するのはこちらですから。
2. 投稿者 hashimoto@トロッコ蜜柑
: 2005年06月05日 22:40[RES]
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