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人材育成を研究している橋本諭のブログです。eラーニング(e-Learning)や人材育成、インストラクショナルデザインを専門としており、教育工学、学習科学、OJT、ワークプレイスラーニングの研究しています。eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン、企業内人材育成入門を上梓。

2004年12月17日

eラーニングを評価しよう(ある一日の記録)

[eラーニング ]

先日あるeラーニングのフォーラムに行って来た。中身は、賛否両論あったようだが、所謂ベンダーの宣伝会だけではなかったので、比較的楽しめたのではないだろうか? 

さて、その中で、eラーニングを評価するというディスカッションがあった。内容としては、ブレンドで実施した研修についての報告を役員にするのだが、その中身はどうしようか? ということを上司と部下に分かれて討論するというものだ。

私は、部下側になり、上司をやり込める(笑)がミッションであった。その際に、結局の所eラーニングの評価ってなによ?という根源的な質問にぶち当たった。

eラーニングを評価するというのは、難しい。カークパトリックというような歴史的に用いられているツールもある。また、最近ではインタンジブル(無形資産)と呼ばれる部分をどのように評価しようかという流れもある。しかしながら、評価とはゴールがあり、それにどの程度到達したのかが重要である為、ゴールを決めることが最優先になる。しかし、教育というそれ自体、ある意味目に見えないものであるのでゴールというものがはっきりしない。ビジネス目標と学習目標は必ずしも同一にはできないからだ。(ここからはじまる人材育成―ワークプレイスラーニング・デザイン入門P146 コラムより
)

とまあ、理論的なところや、実際上の問題などこの辺りには色々と論題はある。しかし、この議論の際に上司側の人から言われた一言が非常に気になった。その発言は、今のeラーニングの現状を表していると思うし、また私の現状を把握できるものだったからだ。その一言とは、
「学術論文を書くんじゃないんだからさ」というものだ。

学習者からのアンケート結果をどのように扱うべきかという際に、その方は、「学習者が良いって言ったらいいんじゃないの?」というようなことを発言された。また、「目的は、来年度も同様の方法で研修を行う為の予算をもらえばいいんだからさ」という表現もされた。これに対して、私は猛反発。はっきり言ってナマイキなガキだ。その際に、前述の発言が出た。

よくよく考えると、2つの問題を考えることができると思う。

まず一つ目は、私の頭の中が学術論文を書くことが中心になっていること。
以前であれば、論文を書くことよりも実践をどうしようかという所に頭が向いたのだが、今ではそれを論文にどうしようかという所まで考え始めている。ある意味では、それは成長だが、ある意味では頭でっかちになっていたのかもしれない。

もう一つは、eラーニングの現状である。
eラーニングは、教育によって何らかの課題(大抵は経営課題)を解決する為の手段だ。しかし、eラーニングというeを使った流行り言葉であるがために、目的に変わってしまっているのではないかというところだ。

評価をするという以前に、eラーニングが目的化しているのでは、適切な評価はできないだろう。まずは、eラーニングは何の為に行なうのかという目的を考えることが重要なのだと思う。

そんなことに気付かされた一日だった。

投稿者 橋本 諭 : 2004年12月17日 00:18 このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマークへ追加

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