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人材育成を研究している橋本諭のブログです。eラーニング(e-Learning)や人材育成、インストラクショナルデザインを専門としており、教育工学、学習科学、OJT、ワークプレイスラーニングの研究しています。eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン、企業内人材育成入門を上梓。

2004年11月03日

入社前研修としてのeラーニングと労働法の問題

[eラーニング ]

入社前研修として、ここ最近ではeラーニングが注目されている。実際に、かなりの企業が採用しているようなので、入社前 eラーニングで検索するとかなりの数が出てくるだろう。blogの特徴により、現在進行形のものが見つかると思う。

この入社前研修とeラーニングは非常に親和性が高いと思う。
雇用者側から考えると、色々なバックグラウンドのある採用者を入社前に一様に研修することができる。さらに、一箇所に集めるとなると、会社から遠く離れた人を集めることなどに費用も時間もかかるがeラーニング(WBTなど)であれば、そのような時間的、場所的制約を考えることなく実施できる。

また、採用者側から考えると、自分の授業や研究などに制約をすることなく、働く準備をすることができる。

このように、eラーニングを行なうことによるメリットは色々とあげられる。

さて、そのような現状だとすると考えなければならないのが、労働法との関係である。
労働法では、【転職・適職】転職Q&A:リクナビNEXT「入社予定前研修の給料未払い」によると、
入社前研修が、労務を提供している時間であるかどうかです。会社の指揮命令に従って、労務を提供している時間には、もちろん賃金の支払いが必要になります。

と記載されている。

また、内定取消し|知って得する労働法によると、
【入社前でも賃金は支払われる】
採用内定者全員を対象に、入社前の研修を強制的に行なう場合、研修時間について賃金を支払う必要がありますので雇用側はご注意ください。この場合、任意参加であっても、入社後に不参加者が不利益をこうむる事態(参加者と比べ配属や諸手当てなどに差がある)が生じる人事を行ったときは任意とはみなされません。

となっている。

そのため、eラーニングで行なうか行なわないかの別はなく、入社前研修が必須または強制であれば、それは賃金を支払われる対象ということになる。

しかしながら、入社前研修を強制だと言うところは、少数だろう。そのため賃金は支払われていないケースが大多数ではないかと推察する。

その場合、eラーニングのデメリットが指摘できる。それは、雇用者側は最小限のコストで採用者に多大な課題を与えることができる点だ。それは、一般の集合型の研修を行なうのとは、コスト効果は雲泥の差になる。

そのため、今後eラーニングが成功していけばしていくほど、企業側が、コストをかけずに採用者に負荷をかけることができてしまう。これは、憂慮すべき事柄だと思う。
採用者側からすると、「やってね」程度であっても、強制だと捉えられる。研修をよくやってくれる会社はいい会社だと言われている。また、採用者は働く前から費用を会社もちで研修してくれると楽観的に捉えている人がいるが、労働法の観点でよく考えてみる方がいいと思う。

PS:これは、もう少し検証してみたいテーマだと思う。

投稿者 橋本 諭 : 2004年11月03日 21:43 このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマークへ追加

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